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輸出に一歩、踏み出してみませんか?~現場主義を貫く柴沼醤油インターナショナル~

こんにちは、関東経済産業局 地域ブランド展開支援室です。
当室では、中小企業の海外展開、伝統工芸品や地域資源を活用した地域活性化を支援しています。その中から、地域の名産品をマーケットニーズに合わせて磨き上げ、国内外に展開する企業を御紹介します!
今回は、創業330年の歴史を持つ柴沼醤油醸造株式会社の海外輸出部門が分社化し、2017年に設立された「株式会社柴沼醤油インターナショナル」の柴沼秀篤代表取締役社長と、輸出プロモーション&コンサルティング部の久保村課長に海外展開まで至った経緯と輸出の秘訣について伺いました。輸出を検討されている皆様、必見です。

柴沼社長(左)と久保村課長(右)

実は私たちとなじみの深い柴沼醤油

柴沼醤油醸造は、茨城県内で生産量第1位を誇る醤油醸造業者です。醤油等の調味料や加工食品を手がけ、有名な歌舞伎揚や航空会社の機内食で提供されるめんつゆに用いられるなど、私達となじみの深いところで使われています。
醤油が「むらさき」とも呼ばれるのは、同社商品「紫峰しょうゆ(筑波山)」の紫峰が語源になっているという説もあります!
このような実績のある柴沼醤油醸造も、輸出は簡単ではなかったとのことです。

紫峰醤油
(画像提供:柴沼醤油醸造株式会社)

輸出挑戦の秘訣1 粘り強さ

柴沼醤油醸造の18代目として働いていた柴沼社長。 社長就任後、柴沼醤油醸造の伝統を守り続けることを決意しますが、主要取引先の酒屋等小売店が減少し、取引先が国内マーケットのみといった現状に危機感を感じ、輸出に挑戦することを決意します。
しかし、初めて出展した海外の展示会では、「日本語の商材のみで全く人が集まらず、人を集めるためブースで肉を焼いたが、全く商談に繋がらなかった」とのこと。そうした経験から、反省と修正を繰り返し、展示のバージョンアップを続け、徐々に商談が成立するようになりました。
「展示会に行っても、なかなか成果が上がらず、すぐにやめてしまう日本企業が多いと思う。しかし簡単に商談が決まったら苦労しない。ある程度粘り強くやる必要がある。」と柴沼社長は話します。

原料
(画像提供:柴沼醤油醸造株式会社)

輸出挑戦の秘訣2 現場主義

その後、2009年のオーストラリアへの輸出を皮切りに、はじめは商社の力も借りつつ、自社でも積極的に現地をまわり、実績を積み上げていきました。
柴沼社長は言います。「まず現地に行くこと。行って初めて何がダメなのかがわかる。日本で作り込んだ製品をそのまま現地で売ろうと持って行ったり、事前に制度を調べて当てはまらないと諦めたりするのではなく、現地での反応を受けて、どうしたら現地が求める製品を作れるか・輸出できるかをとことん考えるのが大事。」
「大手が敬遠しがちな規制が厳しい小国への輸出も、柴沼醤油醸造ではどうしたらその規制をクリア出来るか考えて製品を作ってきた。その結果、当社は、例えば中東におけるアルコールフリー関連の特許を多く保有し、輸出も広げていった。」
こうした地道な努力を重ね、現在輸出する先はなんとヨーロッパや中東などに60カ国以上

柴沼醤油インターナショナル

柴沼醤油醸造の輸出が軌道に乗り始めた2017年、柴沼醤油醸造の海外輸出部門が分社化し、「柴沼醤油インターナショナル」が設立されました。
海外をまわる中で得られたノウハウで、茨城県の食品業界、さらには、多種多様な業種の輸出サポートにも取り組んでいます。サポートを受ける企業の多くは、中小製造業を母体とする同社の「世界を渡り歩く現場力」や、「中小製造業に合った支援」を期待しています。
海外展開に当たっては、現場に出て労力をかけ続けることで得られるノウハウが多いと聞きます。しかし、なかなかそうしたコストをかけることができない中小企業も多いのが現状です。
柴沼醤油インターナショナルは、柴沼醤油醸造という企業の枠を超え、中小企業の悩みに寄り添って日本製品の海外展開を盛り上げてくれると期待しています!

製品ラインナップ
(画像提供:柴沼醤油醸造株式会社)

【企業概要】
 株式会社柴沼醤油インターナショナル/柴沼醤油醸造株式会社

 代表者:柴沼秀篤
 住所:茨城県つくば市榎戸783番地12 M-203号
 電話番号:029-839-9736
 URL:https://www.shibanuma.com/

(画像提供:柴沼醤油醸造株式会社)

輸出に係る施策のご紹介

 経済産業省では、海外展開する企業を応援しています。輸出に係るさまざまな支援策も展開しており、柴沼醬油醸造株式会社が輸出に挑戦する際、旅費や広報費、展示会費用などに JAPANブランド育成支援等事業費補助金を活用していただきました。
なお、JAPANブランド育成支援等事業費補助金は、令和5年4月現在、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(JAPANブランド類型)」に統合され、要件等が変わっておりますのでご注意ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
【ものづくり補助金総合サイト】
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

また、関東経済産業局 地域ブランド展開支援室では、地域ブランドや観光、海外展開等の支援を通じ、地域の稼ぐ力の強化に取り組んでいます。
輸出に興味があっても踏み出せていない方から、さらに輸出先を拡大したい方まで、お気軽に当室までお問い合わせください。
※支援策を随時メールマガジンで配信しておりますのでぜひご登録ください!
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chiiki_brand/index.html

地域ブランド展開支援室メンバー
久世、伊豆野、白井、風間

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