地球を冷ます新素材!~関東も、共に未来へ #1(SPACECOOL株式会社)~
宇宙空間に熱を放出!?
―いきなりですが、「SPACECOOL」とは、どんな素材ですか?
簡単に言えば、強い日射しを受ける状況でも、外気よりも冷やすことが出来る新素材です。電力などは使わないため、ゼロエネルギーです。
太陽光や熱気を反射してブロックするだけでなく、籠もった熱を宇宙空間に放出します。
-宇宙空間に放出、ですか?!
これは日々、身の回りで起きている「放射冷却」という自然現象を応用したものです。
例えば、雲ひとつ無い寒い夜、車のフロントガラスに霜が付くことがありますよね。
これは、地表の熱が赤外線になって、気温が低い宇宙空間(マイナス270℃!)に向かって放出されることにより生じます。
SPACECOOLは、この自然現象を活かした新素材です。真夏の日射しの下でも日光の吸収よりも放射冷却による放熱が大きくなるように光学設計技術で人工的に制御しているのです。
-SPACECOOLはどのように使われているのですか?
最も多いのは、分電盤や空調の室外機など、屋外機器の外装です。我々が把握しているだけでも世界中で3,600を超える屋外機器に施工しています。熱による故障防止や、空調効率が高まるなどの効果が見込まれます。
最近では、建物等の屋根にも使われています。
関東で言えば、日本一暑い街として有名な埼玉県熊谷市の店舗や、東京都交通局の営業所の屋根やバス車両の屋根にも貼りつけられました。空調効率が高まるほか、熱中症対策として期待されます。
SPACECOOLは、さきほどお見せしたシート状のもののほか、メーカーとの連携により、マグネットシートや生地に組み込んだものもあります。様々な場所の表面温度を下げることで、省エネルギーや、CO2削減によるカーボンニュートラル達成に貢献します。
万博の先に見据える壮大な世界
-万博のガスパビリオンの外装膜にも採用されたとお聞きしました。
はい! 日本ガス協会様のガスパビリオンにて採用いただきました!
万博のコンセプトは、「未来社会の実験場」。放射冷却素材でできた建築物は世界初です。是非万博ではガスパビリオンで素材を体感いただきたいです。
-来場者に見てもらいたいポイントを教えてください。
ぜひ、ガスパビリオンの外膜に触れていただき、その涼しさを体感して欲しいです!
また、万博への協賛という形で、SPACECOOLを用いたテントや日傘を会場に提供します。
機会があれば、お持ちの日傘と比べて、涼しさを体感してみて欲しいです。
-今後のビジョンをお聞かせください。
万博への採用が決まったこともあり、2024年は、日本国内の多くの建物に採用されました。
万博開催を迎える2025年以降は、グローバルビジネスを拡大していきたいです。
既に日本よりも暑い中東やASEAN地域では、現地の企業や政府との協力のもと実証試験や実導入が進んでいるところですが、万博を通じてより多くの人にSPACECOOLを知っていただき、世界各国の温暖化対策に繋げていきたいです。
【企業概要】
SPACECOOL株式会社
代表取締役CEO兼CTO 末光 真大(すえみつ・まさひろ)
【参考情報】