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Project CHAIN

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地域で頑張る企業・経営者にはそれぞれの物語があり、思いがあります。地域で果敢に挑戦する情熱を持った素晴らしい人達のビジネスの肝や、取組にかける思い、苦難を乗り越えた秘訣などを紹介…
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#栃木県

地域で紡がれる「物語」をつなぐ

Project CHAIN 始動します。 はじめまして! 私たちは経済産業省関東経済産業局に所属する職員が部署横断で集う有志チームです。 私たちは仕事柄、経営者の皆さんの思いを聞かせて頂く機会があります。 生まれ育った地域や従業員に対する想い、苦労を乗り越えた経験談など、思わず時間を忘れて聞き入ってしまうようなことも多く、こうした経営者の皆さんにお会いすることは、私たちにとって”ココロ震える瞬間”です。 “ココロ震える瞬間”には、それぞれの物語(story)があり思いが

「最高」を届ける飴づくり~3度の被災を乗り越えて~

OEM専門から自社商品の製造へ― 御社ではべっこう飴や棒付きキャンディを自社商品として展開されていますが、以前はOEM中心だったのでしょうか。 はい、当初はOEM専門でした。しかし、リーマンショックで取引先企業の経営方針が変わり売上に大きな打撃があったことから、OEMに頼り切ると自立した経営ができないと危機感を覚え、事業を転換しなければと思い始めました。 自立に向けた動き出し。しかし・・・自社の経営を変えようと思った矢先のことでした。当社が災害に巻き込まれてしまったのです

パンで世界中の困っている人々を救いたい。町のパン屋さんの飽くなき挑戦。

墜落事故から生き残った父から受け継いだ社会貢献への思い―秋元会長の幼少期や学生時代について教えてください 幼少期から家の手伝いで、パンを並べたりしていました。小学校4年生の時、自転車を買ってもらって嬉しかったのですが、近くの工場にパンを届ける仕事も与えられてしまいました。秋元と仲良くすると残ったパンがもらえる、ということで友達がたくさんできましたね(笑)。 両親がクリスチャンだったこともあり、大学時代はクリスチャンホームという地方出身のクリスチャンの集まりに所属しており、ア

ロジックより情熱。「わくわく」「どきどき」想いを乗せる仕事のススメ

信託銀行員時代に培われた「俯瞰力」が経営者として必要な力に。―誠和に入社するまでの経歴について教えてください。創業者のお祖父様やお父様が社長として働く姿を見て社長業を継ぐことは意識していましたか。 「いつかは父の会社を継ぐ」ということは物心がつく頃から周囲から言われていましたので、自身が成長する中で将来の現実的なビジョンとして、自然と意識するようになっていました。 都内の大学に進学後、いずれは父の会社を継ぐつもりでいましたが、まずは他社で経験を積もうと思い就職活動を始め、リ

親としての生き様を伝えたい。波瀾万丈の軌跡の先に、「足利織物」の復興を。

足利地域の繊維産業の復興に向けて-オフィスに入ってすぐ、お洒落なメンズシャツやレディースのストールが目を引きますね! ハイブランドのコレクションアイテムや地方創生イベントのTシャツなど、当社で製造した試作品です。創業間もない頃のものから、近年、パリコレブランドなどに採用された足利銘仙の生地もあります。 足利銘仙は独特のかすんだ模様が特徴で、大正から昭和初期にかけて和装の庶民着として大流行しました。しかしその後、洋服が一般的になり、20年程前に生産が途絶えてしまいました。 足

人にやさしいヒーロー社長~川嶋式経営の極意~

思いがけず社長に就任-入社されるきっかけとなった出来事について教えて下さい。 私は三兄弟の次男に生まれ、高校までは地元の栃木で過ごし、その後、都内の大学を経て製薬会社に入社しました。兄が父の会社に入ったので、そのまま会社を継ぐと思っていたのですが、事情により会社を離れていました。 そんな中、父が大病を患い、手術の前日に「会社を継いでほしい」と言われました。会社があったからこそ自分が育ったという思いがあり、思い切ってその場で承諾しました。手術は無事成功したのですが、一度引き