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Project CHAIN

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地域で頑張る企業・経営者にはそれぞれの物語があり、思いがあります。地域で果敢に挑戦する情熱を持った素晴らしい人達のビジネスの肝や、取組にかける思い、苦難を乗り越えた秘訣などを紹介…
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#東京都

地域で紡がれる「物語」をつなぐ

Project CHAIN 始動します。 はじめまして! 私たちは経済産業省関東経済産業局に所属する職員が部署横断で集う有志チームです。 私たちは仕事柄、経営者の皆さんの思いを聞かせて頂く機会があります。 生まれ育った地域や従業員に対する想い、苦労を乗り越えた経験談など、思わず時間を忘れて聞き入ってしまうようなことも多く、こうした経営者の皆さんにお会いすることは、私たちにとって”ココロ震える瞬間”です。 “ココロ震える瞬間”には、それぞれの物語(story)があり思いが

「1枚のタオルに想いを込める!」あるジーパン好きの青年が社長になるまで

きっかけはジーパン。繊維との出会い-繊維に興味を持ち始めたのはいつ頃のことでしょうか。 中学3年生の時に、バスケ部だった後輩がジーパン姿で一人シュート練習をしている姿を見たことがきっかけです。かっこいいジーパン姿が印象に残り、服に興味を持つようになりました。高校に入って行動範囲が広がってからは古着屋めぐりをするようになりました。実は私の出身は岡山県なのですが、岡山県が有名なデニム(ジーパン生地)の産地ということも当時は知りませんでした。古着屋に行ってはジーパンを見て、他の衣

業界にイノベーションを!食品流通革命児が世界の夜明けに見るものは

暗闇の中で見つけた革命の果実-起業を決意したきっかけをお教えください。 将来は父の跡を自分が継ぐのだろうと思い、家業の冷凍機会社で働いていましたが、業界の先行きを見るとビジネスモデルにも限界があり、どうも暗い先しか見えなかった。自分は本当にこのままで良いのかと自問する中で、30代の時に自分探しの旅をしようと思い、東南アジアの国々を巡りました。 タイである果物を初めて口にしたのですが、それは現地栽培のマンゴスチンでした。とにかく甘くて鮮度が高い、こんな果物を日本でも食べること

常に先手先手をー「温故知新」を胸に挑戦を続ける弓具界のパイオニア

昔からやってきたことは参考になるけど・・・「なぜ?」という考えが常にあった―グラスファイバー製の弓の開発など、常に業界の先端を走る製品を様々開発されていらっしゃいます。そのアイデアの秘訣は何ですか? 弓具の世界には3種類の職人がいます。弓を作る「弓師」、矢を作る「矢師」、弽(ゆがけ。弓の弦を引く際に使用する鹿革製の手袋)を作る「かけ師」の3種類です。私は弓師をしています。 この業界には、「こうやって弓矢を作ったらよく飛ぶ」といった昔から伝えられている教えがたくさんあります。

超・印刷業が実践するデザイン経営―「おもい」を「カタチ」に!

唯一無二のデザインに込めた「おもい」-「印刷は終わった」自社の将来を悲観するようなメッセージが、スクラッチを削ることでポジティブに変わる。貴社の年賀状が話題を呼びました。 はい!これは2年前にサンコーが取引先等に送った年賀状ですが、実はその直前まで、いっそ年賀状を送ること自体止めてしまおうか、という意見もありました。 ペーパーレス化やオンライン化の進展により、印刷の需要は減少し続けています。実は、印刷業である当社ですら、ひとめ見て捨てられるような年賀状ならば、資源のムダで

AIの活用で日本の一次産業に革命を起こしたい―第二の創業に向けて邁進する社長の挑戦!

倒産寸前の会社を承継。父のこだわりを守り、大ヒット商品を開発。-幼少期から家業を継がれるイメージはあったのでしょうか。 正直、継ぐというイメージは全くありませんでした。父への反発心が強く、父が右と言ったら自分は左と言う、そんな子供でしたし、どちらかというと自分で起業したいと思っていました。大学も家業とは全く関係のない政治経済学部に進学しました。父も私の性格を分かっていたので、家業を継いでほしいと思っていたものの直接口には出さなかったようです。 -入社されるきっかけになった

「1つのオレンジを皆で分け合うには?」明るく楽しく対等に働く会社のしかけ

社員のすてきな意見を大切にしたい-株式会社吉村では社長だけが何かを決めるのではなく、みんなで意見を出し合うと聞きました。どうしてそんな仕組みにしたのですか。 あるセミナーで「1つのオレンジをみんなでwin-winに分けあうにはどうしたらいいか?」という問いに出会ったことがきっかけなんです。切る、ジュースにする…。セミナーでは色々な意見が出たので、私も様々な階層の社員に同じ問いを投げかけてみました。すると「オレンジでケーキを焼く」とか「オレンジの種を植えて実を増やす」とか、す